オリゴDNA・RNA合成サービス | 新着情報
- 2024/11/14
- 韓国 臨床統合医学癌学会 第15回秋季国際学術セミナーにおいて講演いたしました
- 2024/7/12
- <DNA & RNA合成 夏季休業期間中の発送・受付・窓口のお知らせ>
- 2024/5/29
- 『cEt修飾オリゴヌクレオチド』をアップしました
- 2023/10/23
- 【お客様への注意喚起】弊社を装うフィシングメールにご注意ください
- 2023/5/16
- 天然型DNAのエナンチオマー『L型オリゴヌクレオチド』のご紹介
- 2023/3/24
- 『オリゴDNA・RNAオーダーフォーム』リニューアル
- 2023/2/13
- 「蛍光/クエンチャー組み合わせラインナップ」を更新しました
- 2021/4/01
- 【オリゴDNA・RNA合成の価格表変更のお知らせ】
- 2020/6/02
- 「新型コロナウイルス プライマー・プローブ」N2セットのみのセット合成、Mixtureサービスを追加いたします。
- 2020/1/31
- § 新型コロナウイルスPCR法についてのお知らせ
- 2019/11/18
- Hypercool-qMSP PPセットに新ラインナップを追加しました!
Hypercool Primer & Probe ™合成
■ Hypercool Primer & Probe™ とは
これまで測定が困難であった血漿・血清中や長期保存FFPEサンプルなどにおける100bp以下に分解・断片化されたmRNAを定量するために、極力短い70bp以下のアンプリコンサイズを実現させたqPCR用のプライマー・プローブです。修飾塩基「2-amino-dA(2aA)」と「5-Methyl-dC(5mC)」と呼ばれる2種の新規Tm値上昇塩基を導入した際のTm値算出方法を確立することによって、このデザインを可能としました。
このプライマー・プローブによって、血漿中における分解されたmRNAの定量によるがんの超早期発見への応用や長期保存FFPEサンプルからの断片化核酸の定量による遺伝子プロファイリングなどが可能です。
▶ Q&A
■ サービス概要
デザインの仕組み、デザイン方法について以下で解説いたします。お客様ご自身でご希望の遺伝子についてデザインいただいて弊社へ合成をご注文いただくことが可能です。
オプションサービスとして、弊社へのデザインのご依頼も承ります。デザイン結果をお返しいたしますので、その情報に基づいて弊社における合成を承ることも可能です。
■ デザイン解説
初めに、「通常のデザイン方法」を参考にご希望のFプライマー、Rプライマー、加水分解プローブを70bp近傍のアンプリコンでデザインします。続いて、「Hypercool Primer & Probe™デザイン方法」を参考に両プライマーおよびプローブのアデニン塩基、シトシン塩基のいくつかを、それぞれ前述の「2aA」「5mC」で置き換えて、Tm値を調整します。塩基置換後のTm値は以下の「Tm値算出シートひな形」で算出可能です。
通常のデザイン方法 Hypercool Primer & Probe ™デザイン方法 Tm値算出シートひな形
■ アプリケーション例
・SNP GenotypingやRare mutation 解析のパフォーマンス向上に
qPCRによるSNP Genotypingやdigital PCRによるRare mutation解析におけるターゲットによってはプローブが長鎖となってしまうことがあり、この原因からシグナル/ノイズ比が低くなったり、1塩基相違の分解能が低下したりと、パフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。
しかし、Hypercoolテクノロジー™では、Tm上昇塩基の導入によりプローブの鎖長をコントロールすることが可能となります。鎖長の短いプローブではクエンチャーの効果がより強められ、ベースラインのノイズを最小限に抑えることができます。 さらに、1塩基相違のターゲットとの間のTm値をより低下させることで、両アレル間の分解能を向上させることができます。それぞれのアレル用に2種の蛍光色素のプローブ(5’FAM-3’BHQ1, 5’HEX-3’BHQ1)を作製して、シングルチューブ(ウェル)同時検出することができます。
・血中循環遊離DNA中の腫瘍由来 融合遺伝子の検出に
血中に循環している腫瘍由来の遊離DNA(circulating tumor DNA (ctDNA))の量ががんの予後や再発に関連していることが多くの論文で示唆されています。
ctDNAのターゲットとして、腫瘍由来の変異やメチル化異常の他に、融合遺伝子がありますが、卵巣がんや乳がんでは、既に融合遺伝子をターゲットとしてctDNA量を定量する例がいくつか報告されています。(文献1,2)原発巣組織から次世代シークエンスにより同定された患者特有の融合遺伝子配列をターゲットとするため、1塩基の変異を検出する場合よりもアーティファクトが生じにくく、アッセイの特異性や感度が高いといわれています。
一方、ctDNAは血中で短く断片化して存在していることが多く、qPCRやdigital PCRで定量を行う場合、断片化による感度低下を防ぐ工夫が必要となります。
Hypercoolテクノロジー™により、アンプリコンサイズを極限まで短くすることで、短く断片化しているターゲットをより多く検出できることが期待できます。
(文献1) Harris, Faye R., et al. “Quantification of somatic chromosomal rearrangements in circulating cell-free DNA from ovarian cancers.” Scientific reports 6 (2016): 29831.
(文献2) Olsson, Eleonor, et al. “Serial monitoring of circulating tumor DNA in patients with primary breast cancer for detection of occult metastatic disease.” EMBO molecular medicine 7.8 (2015): 1034-1047.
・血中循環 腫瘍由来メチル化DNA定量アッセイの可能性拡大に
ctDNAのターゲットの一つに腫瘍に関連したメチル化異常がありますが(文献3)、これをqPCRで特異的に定量するとき、バイサルファイト処理後のメチル化CpGに特異的なプライマープローブを設計する場合があります。(quantitative methylation specific PCR法, qMSP法)
しかしながらこの場合、バイサルファイト処理したDNAはnon-CpGのシトシンがウラシルに変換されることにより、プライマーやプローブのTm値が低下し、シグナルが弱くなることがあります。また、Tm値を高くするためにプライマーやプローブ長を長くする場合、その分だけ特異性が低下し、非メチル化DNAを検出してしまうことがあります。 Hypercoolテクノロジー™により、qMSPプライマーやプローブのTm値を上げ、短いプライマー/プローブ長にすることができます。このことにより、qMSPのプライマープローブ設計の可能性を広げ、qMSPの性能向上が期待できます。
(文献3) Warton, Kristina, Kate Mahon, and Goli Samimi. “Methylated circulating tumor DNA in blood: power in cancer prognosis and response.” Endocrine-related cancer (2016): ERC-15.
・FFPEサンプルの遺伝子発現定量アッセイの向上に
FFPE病理組織中の核酸は断片化(文献4,5)や化学修飾が進行しているため、RT-qPCRで遺伝子発現解析を行う際は、サンプル調製、逆転写およびqPCRの各ステップで、特別な工夫が必要となります。qPCRのステップで効果を発揮するのが、 Hypercoolテクノロジー™です。FFPE組織中ではRNAが100base以下に断片化していることがあり、遺伝子発現解析を安定して行うには、qPCRのアンプリコンサイズをできる限り短く設定することが重要となります。
(文献4) Antonov, Janine, et al. “Reliable gene expression measurements from degraded RNA by quantitative real-time PCR depend on short amplicons and a proper normalization.” Laboratory investigation 85.8 (2005): 1040.
(文献5) Ludyga, Natalie, et al. “Nucleic acids from long-term preserved FFPE tissues are suitable for downstream analyses.” Virchows Archiv 460.2 (2012): 131-140.
■ 検出・定量の実施例
弊社において、これまでほとんど例のない血漿中におけるcell-free RNAのmRNAを測定した実施例をご紹介します。
血漿中におけるcell-free RNAの定量
血漿中におけるβ-catenin mRNAの定量
■ デザイン実績
本qPCR仕様以外のデザインも含め、これまで弊社におけるデザイン遺伝子の実績をご紹介します。
デザイン実績一覧
■ 価格・納期・お申し込み方法
Hypercool Primer & Probe™合成サービス
※ 合成鎖長に関わらず、一律価格です。
※ オプションのデザインサービスは 別途価格¥16,500―税込み
<仕様>
Fプライマー(OPCグレード, 2 O.D.保証)
Rプライマー(OPCグレード, 2 O.D.保証)
Double Labeled プローブ(HPLCグレード, 1 O.D.保証)
・ F/Rプライマー/5’FAM-3’TAMRA(or 3’BHQ1)プローブ 3本1セット¥47,300―税込み
・ F/Rプライマー/5’FAM-3’BHQ1/5’HEX-3’BHQ1 プローブ 4本1セット¥88,000―税込み
<合成サービス納期>
受注から一週間ほどでお届けいたします。(受注後に納期連絡いたします。)
(※ オプションのデザインサービスお申込みの場合は10~14日)
お申込みが混み合った際には、上記以上の期間を要する場合があります。
<お申し込み方法>
必要事項をご入力またはご記入の上、FAX送信ください。
合成サービスFAXお申込書
■ Hypercool PPSセット™ トライアル版
先項の「検出・定量の実施例」において使用したHouse Keeping Gene 10種の本qPCRアッセイ仕様のプライマー・プローブ・検量線スタンダード(PPS)のセット25反応分をお試し価格にてご提供いたしております。
(House Keeping Gene 10種が同一のPCR条件で同時測定することができます。)
詳細はこちら
■お問い合わせ
(株)日本遺伝子研究所 合成事業部
TEL:022-388-9748 FAX:022-388-9740
E-mail: oligo@ngrl.co.jp