建築関係の方々と話をする機会が偶々あった。仮設住宅の某大手の社員は8月中には応急仮設住宅はほぼ完成するかもしれないがここにきて見通しが立っていないという。理由は工事の大工さんが疲労で何人も倒れて病院ですよ!と言う。仮設ユニットの生産が追いつかないのと、企業からの注文が多くて、3年から5年かかると言う。マンション建設の社員は9月ぐらいから今の10倍以上の仕事が待ち受けていると言う。何しろ足場を組む材料も無い。部材もない。人も足りない。何年かかるのか建設特需と言うが身体が持たない、と言葉に力がない。一般住宅も同様だと工務店の棟梁が重い口を開く。建設許可や検査許可も遅れていて全てが遅いと憤る。TVで石巻赤十字の医師が活躍するのを見た。石巻の医師や大学の先生が「医療をする以前の問題だ!」「物資が無くて命を落とす」。「救援物資は一杯あるのに何故届けられない!」行政の対応の遅さに激高し、命を繋ぐことの尊さを訴える姿には感動したと話す。
私も見ました。大学の先生は東北大学病院の病院長なんですよと教えた。 皆・・缶コーヒーを飲みフウーとため息をつく。
解体専門の業者の方が「今までの話は地震の被害でしょう?私らは津波でやられた瓦礫処理と家屋の解体だけど。。もう何人も過労で倒れて。。満身創痍だよ」と言う。あと何年かかるか考えたくない。と肩を落とす。
今日集まった方々の話をまとめると。工事の件数は仙台市内だけでも数千以上ある。それも順番待ち。それも数年かかる。津波被災地では瓦礫処理後に仮設住宅の撤去(入居期間は2年)と目白押し。被災地の苦労を何にもわかっていないという「嘆き」の声ばかり耳に残った。
大阪や九州、名古屋など多数の県から多くの復旧支援のために建設関連企業からも被災地へ応援に来ているという。それでも資材が足りない。人が足りない。それだけ、かつてない規模の大震災であること。私たちは未体験ゾーンの入り口にやっとこれから立とうとしているのだ。
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