CTCラボニュース 新たな展開(2025年8月より)
CTCラボは、これまで日本国内のアカデミアと連携して共同研究を進めてきましたが、2025年8月1日より、海外アカデミアとの共同研究を本格的に開始します。 また、これまで日本国内のがん専門医療機関・クリニックなど(35施設)に提供してきたマイクロ流路技術によるCTC検査に加え、海外のがん専門病院(4施設)からの受託検査も開始します。
提供内容:
- ・CTC検査(マイクロ流路技術を使用)
- ・CTC検査とcfDNA検査とのコンバイン検査
- ・海外パートナーとのライセンス契約を締結し、オンラインを含む技術指導を通じて、グローバルな診断支援体制
■ CTCラボの検査技術の特長
- ・最新マイクロ流路デバイス(バイオ・ラッド社※製)を導入
- ・がん細胞の検出感度を高めるため、独自のPコーティングチップを使用
- ・早期がん〜進行がんまで、CTCの多様性に対応
※ バイオ・ラッド社(BioRad Laboratories)は、バイオ系の開発技術水準においては世界でも上位水準とされる企業の1つです。
■ ステージ別CTCの変化と診断意義
がんステージ | 主なCTCタイプ | Vimentin・CSVの発現傾向 | 臨床的意義 |
---|---|---|---|
Stage 0〜1 | 上皮性CTC (EpCAM陽性・Cytokeratin陽性) |
ほぼ発現せず 稀に発現する場合もある |
早期発見・予後予測に有用 |
Stage 2 | EMT兆候が一部出現 | 発現は無いか低レベル | 微小転移のリスクを示唆 |
Stage 3〜4 | EMTを経た間葉系CTCが増加 | 高発現 | 転移可能性が高く予後不良と関連 |
■ 使用抗体マーカーの構成
- 早期がん(Stage 0〜1): EpCAM+Cytokeratin抗体のカクテルを使用
- EMTの兆候検出(進行がん): Vimentin、Fibronectin、N-cadherin などの間葉系マーカーを使用
■ EMT(上皮間葉転換)とは?
・EMTは、がん細胞が浸潤・転移能を獲得するプロセスです。
・EMT状態のCTCは、間葉系マーカー(CSV、Vimentinなど)を発現します。
・EMT細胞はハイブリッド型(metastable cell)※として一過性・可塑的で、検出が困難な場合もあります。
※ ハイブリッド型(metastable cell)とは、上皮系マーカーと間葉系マーカーの両方を発現する細胞を指します。
■ 今後の展望
CTCラボは、がんの早期発見から進行監視までを担うリキッドバイオプシー技術として、CTCとcfDNAによるコンバイン検査から臨床的価値を提供してまいります。