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リキッドバイオプシー 血中循環腫瘍細胞(CTC)検査サービス

■ CTCと派生物質

(株)日本遺伝子研究所名誉研究所長 粕谷厚生(東北大学名誉教授)

まえおき
 ガンの診断や治療と深く関わる末梢血循環腫瘍細胞(Peripheral Blood Circulating Tumor Cell; CTC)と言う用語が研究論文はもとより、新聞でも時折見受けられるようになりました。原発巣或いは転移した腫瘍組織から遊離して血管に流れ込んだ細胞で、ガンの初期では1 mlの血液中に数個とごく微量ながら血流に乗って遠方の組織にまで浸潤し、増加しながらガンの転移や進行に支配的な役割を演じていると指摘されています。
 しかもCTCは遊離後も形態や性状を多様に変化させながら体内を巡るので単に個数を計ることに留まらず、刻々と変化して行く全体の様子をも捉えることによってガンの現状や進行状況を的確に把握し、高度な治療に役立てることが期待されます。検査は末梢血を採取するだけの非侵襲的な液体生検(liquid biopsy)になりますので、簡便なところが大きな利点です。
CTCは百年以上も前に900体を超える解剖の精査などに基づき提唱されました。以来弛まぬ研究が続き、ここ20年ほどにはナノテクノロジーによる材料、加工、計測技術が進歩し、磁性微粒子、微小流路、顕微分光などを活用した血液の高感度精密測定が可能になったことで、存在が漸く実証されました。
現在では様々な分析装置が考案され、採取された血液中から定められた判定規準に従ってCTCを選んで数え上げ、ガン患者の生存率(Overall Survival; OS)や無憎悪生存率(Progression Free Survival; PFS)と対応させた分析結果が多数報告されています。
僅かですが末梢血から分離された濃縮物を観察すると、形の整ったもともとのintactなCTC (iCTC)や循環腫瘍幹細胞(Circulating Stem Cell; CSC)と言われる細胞が先ずありますが均一ではなく(heterogeneity)、上皮間葉転換(Epithelial-Mesenchymal Transition; EMT)などに由来する亜形(CTC subtype)も多数見受けられます。また細胞が幾つか集まった塊(CTC cluster, Circulating Tumor Microemboli; CTM)や、個々の死滅 (apoptosis CTC; aCTC, Necrosis) 或いは損傷、分解により生ずる破片(Granular CTC, Tumor Cell Fragment; TCF)、粒(Tumor Micro-Particle; TMP) やDNAの断片 (循環腫瘍DNA、circulating tumor DNA; ctDNA, cell free DNA; cfDNA)、も大量に見つかっています。そのほとんどがガン細胞から派生した物質でありOSやPFSとに強い相関を示す検査結果が得られています。
 これらCTCは基よりガン細胞から多岐に派生して行く物質を全体的に眺めていると、ガンの転移に関わる様々な過程の端々が物質それぞれに見え隠れしているような気がして来ます。このような多様な変化を個人毎に捉えれば、症状に合わせた具体的な診断や治療に役立てることが可能になると考えます。となれば、もともとのCTCのみを計測対象とするこれまでの分析は“木を見て森を見ず”の感があります。またCTCが希有であることを考えると、測定対象を広げることによって検出の取りこぼしや見誤りを防ぎ、測定量も増えて精度や信頼性の大幅な向上にも繋がり非常に有利になります。

 実際に測定対象をCTCに限らず、ガン細胞から派生する物質を広く含めた分析例について幾つか論文紹介します。それぞれ測定対象と結果を抜き出して部分的に概訳してありますので、詳しくは原著を参照下さい。

「CTCと派生物質」はこちら

■News

上皮-間葉移行(Epithelial-to-Mesenchymal Transition 「EMT」)とphenotype
上皮様(epithelial)から転移可能もしくは準安定(metastable)細胞を経て間葉系(mesenchymal)の細胞へ変化しています。

 

■血中循環腫瘍細胞(CTC)検査とは 

がん関連死の多くは、転移の発症に続いて起こります。この病気の進行度は血中循環腫瘍細胞(CTC: Circulating tumor cells)の存在と関連しています。これらの稀な細胞は、転移性乳癌、前立腺癌、および結腸直腸癌における臨床的に重要であることが数多く実証されています。

一般的にがんは、組織の最表面に位置する上皮組織から発生し、上皮と結合組織を区切っている基底膜を分解しながら組織浸潤を起こします。そして血管やリンパ管に侵入し、周辺や他の臓器へ生着して転移が生じます。こうした転移の過程で血管内に侵入したがん細胞がCTCです。
また、CTCは血液1 mlあたりに含まれる約数十億個の血球に対して、数個から数十個程度しか存在していないと言われ、様々なCTC検出法が開発されてきました。(図1)
がんは本来、発生元である上皮細胞の特徴を有していますが、浸潤能を獲得した悪性度の高いがんでは、しばしば上皮間葉転換(EMT:Epithelial-mesenchymal transition)と呼ばれる現象(図2)が生じ上皮細胞の特徴が失われます。その場合EpCAMの発現が低下もしくは消失します。EMTを生じたCTCは抗EpCAM抗体との結合力が弱まるため、これまでのEpCAMエンリッチ法(EpCAM抗体磁気ビーズによるCTCのキャプチャー)は課題も多いことから次々と新しいCTC検出法が開発されてきております。その中でも最も検出感度が優れているとされている中にMicrofluidic  Chipを用いた方法(微小流路デバイス法)があります。
当社では「The Scientist’s annual Top 10 Innovations of 2015」を受賞したcelsee社のMicrofluidic システムを導入し、celsee社との共同研究を重ね、これまでにない検出感度と再現性を有した方法で検査を実施しています。

図1 様々なCTCの検出法
img001

図2 上皮間葉転換(EMT)の模式図
img002

分析方法
■ 微小流路デバイス法(Microfluidic Chip)
・原理:1枚のマニホールドの上にMicrofluidic Chipを重ね、血液を流します。
Microfluidic Chip にある56,320個のtrapping chamberに細胞を捕捉します。
これまで2mlの血液を使用してまいりましたが4mlまで使用することができるようになり圧倒的な検出感度が可能となりました。

1 3D微小流路デバイス法原理

 

 

 

 

 

 

 

原理

 

 

 

 

 

CTCと白血球の変形特性が大きく異なることに基づいてCTCを捕捉します。白血球は変形特性が大きくPore channelより大きなものでも通り抜けることができますが、CTCは変形特性が小さいため通過することができません。微小流路デバイス法(Microfluidic Chip)はこの原理に基づいて設計されたものです。

参考文献:
(1) Deformability of Tumor Cells versus Blood Cells
      Scientific Reports 5, Article number: 18542 (2015)
      doi:10.1038/srep18542, Josephine S. Bagnall et al.
(2) Circulating Tumor Cells: Isolation and Analysis, First Edition.
      Edited by Z. Hugh Fan. © 2016 John Wiley & Sons, Inc.
      Published 2016 by John Wiley & Sons, Inc.

微小流路デバイスを血液が流れる様子

2 微小流路デバイスを血液が流れる様子(画像1)50%

3 微小流路デバイスを血液が流れる様子(画像2)50%

 

 

 

 

微小流路デバイス法(Microfluidic Chip) CTC検査のフロー

微小流路デバイス法(Microfluidic Chip) CTC検査のフロー

・動画
微小流路デバイス(Microfluidic Chip) に血液を流した動画です。実際の流速はおよそ0.2ml/min くらいです。

・健常人でのバックグラウンド検証健常人でのバックグラウンド検証

 

 

 

 

 

 

・画像診断のがん発見領域

 

 

 

 

・微小流路デバイス法(Microfluidic Chip)
CTCカウント数 「大腸がん患者検体」 使用血液が2mlの場合8 CTCカウント数 「大腸がん患者検体」

 

 

 

 

 

 

 

 

Cell Search法(7.5ml)と微小流路デバイス法(2ml)によるCTCカウント数の比較
              「前立腺がん患者検体」

9 Cell Search法と微小流路デバイス法によるCTCカウント数の比較

 

 

 

 

 

 

 

 

・論文
PLoS ONE 11 (1): e0147400. doi:10.1371/journal.pone.0147400
Gogoi P, Sepehri S, Zhou Y, Gorin MA, Paolillo C, Capoluongo E, et al. (2016)
Development of an Automated and Sensitive Microfluidic Device for Capturing and
Characterizing Circulating Tumor Cells (CTCs) from Clinical Blood Samples.
論文PDF

解析データ例 
臨床検体から検出された上皮系形質のCTC 検出データ-1検出データ-1

 

 

 

 

 

 

 

臨床検体から検出された上皮系形質のCTC 検出データ-2検出データ-2

 

 

 

 

 

 

 

乳がん患者のViabilityの高い9〜10μmの大きさのCTC 検出データ-3検出データ-3

 

 

 

 

 

 

 

 臨床検体から検出された間葉系形質のCTC 検出データ-4
 3DのMicrofluidic chipだからこそViabilityの高い多様な形のCTC検出データ-4

 

 

 

 

 

 

 

 

臨床検体から検出された間葉系形質のCTC 検出データ-5
3DのMicrofluidic chipだからこそViabilityの高い多様な形のCTC検出データ-5

 

 

 

 

 

 

 

 

提出条件等は下記をご参照ください。
1 検査概要
2 重要事項説明書
3 同意書
4 依頼書
5 採血保存容器資料(英文)
6 採血管保管方法および採血時注意事項
7 梱包発送方法

 

■ CD45 depletion法

現在、より検出率の高い微小流路デバイス法(Microfluidic Chip)に移行したため、CD45 depletion法は実施しておりません。

・原理
血中循環腫瘍細胞(CTC)の種類を考慮しEpCAM非発現、サイトケラチン非発現のCTC細胞を検出するため、CD45抗体マイクロビーズを用いてCD45 depletion法によるCTCの回収と濃縮を行い、Hoechst・CD45・CK・EpCAM・Vimentin抗体を用いてフローサイトメトリー分析(FCM)を行います。

・CD45 depletion法とは:
血中循環腫瘍細胞(CTC)の研究で、EpCAM発現のない「CTC」が存在することが報告されています。そのため、従来法であるEpCAMエンリッチ法では、希少なCTCを見逃しているという報告があります。本方法では、CD45抗体マイクロビーズを使用し、白血球共通抗原であるCD45陽性細胞を枯渇(depletion)・濃縮(Enrichment)してCTCやEMTを検出する方法 CD45 depletion法を用いて検出します。
使用抗体

・検査の実績
PDFファイルリンク

・その他の解析データ
PDFファイルリンク

■お問い合わせ
(株)日本遺伝子研究所 CTCラボ
TEL:022-388-9747 FAX:022-388-9740
 E-mail:ctc-lab@ngrl.co.jp

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